六花咲きて巡り来る 禁足地 「……光。夜光……」 うっすらと、自分を呼ぶ声がする。 薄暗い濁り水の中を、ゆらゆらと漂っているようだった。手足が重くて、それこそ水の中にいるように自由がきかない。なんだろう。さっきまで、白くて白くて……他には何も見えないような、清浄なほど... 2025.10.06 六花咲きて巡り来る妖は宵闇に夢を見つ 蓬莱編
六花咲きて巡り来る 序章 ─ 匂夢 ─ 音も、風景も。ちょっとした息遣いさえ、白の中に呑まれてゆく。見上げた灰色の空から、白い花に似たものが舞い降りてきた。 ──ああ。また、雪だ。 長いこと立ち尽くすうちに手足の先が凍え、頬も唇も氷のように冷たくなっていた。長い黒髪は、今や雪化粧... 2025.10.06 六花咲きて巡り来る妖は宵闇に夢を見つ 蓬莱編