妖は宵闇に夢を見つ 蓬莱編 闇迷いの辻 あたしは悪くないわ。 と、かや(・・)は思った。 もう秋口の夜気は、すり切れたぺらぺらの着物一枚の身には随分と冷たい。直接に土を踏んで汚れている素足は、すっかり凍えている。 それなのに寒さを感じないのは、自分で思う以上に動転しているせ... 2021.01.08 妖は宵闇に夢を見つ 蓬莱編闇迷いの辻