cats and dogs

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interlogue

あのときいったい自分が何をしたかったのか、それは今でも分からない。  自分のすべてを奪い、すべての価値観を破壊し、すべての矜持を引き裂いた彼に復讐がしたかったのか。  すべてを奪われて尚残っていた、ひとかけらの心さえ奪われることに、震えるほ...
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朔の章 第四のパンドラ(3)

その宣言を、サクは守り続けた。  あのときカズヤは、最終的にはサクに懇願させて放たせた。だがサクには、自分からカズヤを解放してやるつもりは微塵もなかった。あのときカズヤにされたことをなぞりながら、サクは容赦なくカズヤを追い詰めていった。 「...
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朔の章 第四のパンドラ(2)

カズヤはかなり長いこと目を覚まさなかった。  サクは部屋を引っ掻き回して足枷を見つけ出し、あの日自分がされたように、眠り込んだままのカズヤの左足にかけ、鉄柱に鎖でつないだ。細身だが長身のカズヤの身体をあまり遠くまで引きずるのも骨が折れるので...
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朔の章 第四のパンドラ(1)

その一件以降、ますますアリサはサクを溺愛するようになった。  だがサクの日常は、サクの感覚からすれば特に何も変わらなかった。昼はジムにいき、それ以外の時間は、夜通しアリサと過ごすために身体を休めつつ、何をするわけでもなくぼんやりとすごす。 ...
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朔の章 第三のパンドラ(4)

自分の中の何かが、どうしようもないほどズレていく。  現実感を日ごと喪失していくような、夢の中をふわふわと漂うような、なんとも頼りない感覚が、サクにつきまとい始めた。  うまく思考と感情が働かず、頭もいつもぼんやりとしている。アリサに嬲り尽...