cats and dogs 蓮の章 第七のパンドラ(2) さすがに直射日光がつらくなってくると、粗末なベッドを日の当たらないところまでずらした。それでも大きな窓から空を見上げることは、変わらず容易だった。 からりとした初夏に近い風が、開け放された大きな窓から流れ込んでくる。 あまり物の置かれて... 2020.08.08 cats and dogs
cats and dogs 蓮の章 第七のパンドラ(1) 突然レンの前に姿を現したあの夜から、サクはレンの部屋に居つくことになった。というよりも、朝になって出ていこうとしたサクを、レンが有無を言わせずに引き止めた。 昨夜あれだけの目にあわされていながら、起きたらレンは何事もなかったようにけろりと... 2020.08.08 cats and dogs
cats and dogs 蓮の章 第六のパンドラ(5) すっかり日が落ちた後の廃都は、まともな街に比べて光源が極端に乏しい。満ちる闇も、より濃密に街角を埋め尽くす。 蛍光灯が切れたままになっているレンの部屋は、かわりにLEDランタンで照らされていた。 一向に現れず居場所も掴めないサクを案じ... 2020.08.08 cats and dogs
cats and dogs 蓮の章 第六のパンドラ(4) サクはアリサを引っ張って奥のベッドルームへ移動し、天蓋つきの大きなベッドにアリサを突き飛ばした。 サクがその気にさえなれば、細く華奢なアリサの身体を意のままにすることなど簡単だった。暴れるアリサの上に馬乗りになり、その肩を押さえつけて、艶... 2020.08.08 cats and dogs
cats and dogs 蓮の章 第六のパンドラ(3) サクが突然姿を現さなくなった。 今までもそう連日現れていたわけではないが、突然ぱったりと、何の前触れもなく姿を見せなくなったことは、否応なしにレンに悪い予感を抱かせた。 サクの身に何か良くないことが起きたのではないかと思うと、いてもたっ... 2020.08.08 cats and dogs